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数十年間にわたる成長が終わり、現在ほとんどの人は10-15年前よりも使える収入が少なくなっています。しかし、それがなぜなのかをうまく説明できる人は誰もいません。

2000年頃に人々がこれまでで最も裕福になった後、成長を回復するために数多の試みが行われてきたにもかかわらず、先進諸国におけるほとんどの世帯でインフレ率調整後の収入が縮小しました。

同じく、若者に対する見通しはますます暗く、その多くは家を買う為、あるいは貯蓄を増やすべく、高額な教育に見合った仕事を見つけようと必死になっています。

この変化の裏には長く忘れられてきた真実があります。それは、経済活動が盛んになればなるほど、より多くのエネルギーと天然資源が必要となるということです。

成長を維持する上での近年の問題を理解しようとするとき、私たちは旧来の真実、すなわち「経済活動が盛んになれば、より多くのエネルギーと資源を利用する」ということを再認識しなければなりません。

太陽光の力はこれまでずっと繁栄を後押ししてきましたが、産業革命が始まって以降、私たちは猛スピードで化石燃料 (=先史時代の日光) を活用してきました。

今までの経験を考慮すると、私たちは生まれつき「成長は継続する運命にある」と信じてしまいます。ですが、この星はすでに限界に達してしまっています。

250年に及ぶ際限のない成長拡大の結果、エネルギーと天然資源が再び私たちの世界を制限しています。これ以上のエネルギーと天然資源の捻出はいよいよ難しくなり、それがさらなる経済発展を困難にしています。

私たちは誰しも、このことを簡単には理解できません。なぜなら、私たちの脳は生まれつき近い過去を指針として利用してしまうためです。それがうまく当てはまらない場合、私たちは戸惑い、そして怒りを覚えるのです。

私たちの知る限り、この流れから抜け出す方法はありません。我々が自分達に更なる成長が必要ないと認識し、この新たな現実を受け入れれば、非常に大きな安心感を得られます。

残念ながら、当面のあいだ安定成長へ復帰することはありません。最後まで負け戦を続けたくないなら、「もっと少ない」世界を受け入れるほかありません。幸いなことに、「幸福」とは私たちにとって本当に必要なもので満たされている限り「収入」とは関係がないのです。

これはつまり、負の感情を放棄したうえで、新たな現実での生活を送っていく方法について積極的に考え始めなければならないということです。